ミツバチの巣が六角形な理由

ミツバチ 著作者:Robert Seidemann
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ミツバチの巣の中は六角形の巣穴でびっしりと埋め尽くされています、
わざわざ六角形なんて面倒な形にしなくても、四角や三角、円形にすればいいのに、
思う方がいるかもしれませんがミツバチの巣がこの形であることにはちゃんとした理由があります。
 

六角形は隙間無くしっかり埋められる

ミツバチが巣作りをするスペースはある程度限られています、
限りあるスペースを無駄なく敷き詰められる形は理想的と言えます、
掌サイズのメモ帳に一辺が同じサイズの図形を敷き詰めるとしたら、
三角形や四角形、六角形の形であれば図形の間に隙間は出来ずに、
しっかりと敷き詰められることがわかります、
逆に五角形や7角形以上の多角形の図形や、円形ではどうしても隙間が出来てしまいます。
 

六角形は外からの圧力に強い

巣の中で生活する以上巣は頑丈に作られていなければすぐに壊れてしまいます、
単純に強度だけで言えば三角形の形が一番外圧には強いです、
ですがミツバチの巣は木の枝などの不安定な場所に作られることもあるので、
風に揺られれも耐えられるような、耐震制度も求められます、
三角形は確かに圧力には強くても、横からの力を受けると簡単にスライドしてしまい、
横の力にはめっぽう弱く、軽く揺れるだけでその巣は簡単に壊れてしまうのです、
対して四角形や六角形であれば横からの力にも安定して耐えることができるのです。
 

六角形は材料が少なくて済む

ミツバチの巣は最終的にはかなりのサイズになるため、
巣の材料は無尽蔵にあるものと勘違いしてしまいそうですが、
巣の材料である蜜蝋は実はとっても貴重なものです、
 
蜜蝋はミツバチが蜜を食べたときに作られる副産物なのですが、
ミツバチが食べた蜜の10分の1程度の量しか作られません、
ミツバチの寿命は一ヶ月程度と短く、生涯食べる蜜の量は小さなスプーン1杯程度、
その10分の1しか蜜蝋は作られないので、巣の材料がいかに貴重かが分かるはずです。
 
その少ない材料で最も広い面積を取れる理想の形は円形です、
先ほどの通り、円形は巣に隙間が出来るのでこの形は巣には適していません。
かといって四角形では円形とは形が程遠く、必要以上に材料を使ってしまいます、
ですが六角形であれば円形の形に近く、少ないスペースにも隙間無くつめられます、
8角形以上の図形にすればより円形には近づきますが、円形と同じく隙間が出来るので、
六角形が一番適している図形と言えます。この六角形で敷き詰められる構造を、
ミツバチの巣の形になぞらえて「ハニカム構造」と呼ばれています。
 

私達の身近でも使われるハニカム構造

軽さと強度を合わせ持ったこのハニカム構造は私達の身近なところにも応用されています、
例えば旅客機の翼です、飛行機の翼は金属で出来ていますが、
翼が重ければ空を飛ぶことはままなりません、ですがハニカム構造は、
最小限の素材で最高の強度が得られるので軽量化にはもってこいです、
また同じく軽量化が求められる人工衛星の壁などにも利用されています。


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