心臓を三つ持つ不思議な生き物とは

heart
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心臓を三つ持つ不思議な生き物

心臓を三つ持っている生物と聞いて何を思い浮かべるでしょうか?
私たち人間や多くの哺乳類は、通常ひとつの心臓を持っています、
牛などの反芻動物は胃袋であれば複数持っていますが、心臓となれば話は別、
心臓を三つも持つなんて映画や小説で出てくる妖怪や怪物の類だろうなんて思っていませんか?
その不思議生物とは「イカ」で、身近で刺身や煮物などで大活躍するあの「イカ」なのです。
 

イカの心臓が三つあるわけ

イカには私たちが持つ心臓とは別に、エラ心臓をいう心臓を左右のえらの付け根にひとつづつ持っています、
このエラ心臓はエラに血液を送り込む時専用で使用する心臓です
激しい動きをするときには、大量の酸素が必要になるので、このエラ心臓を発達させて
この三つの心臓がイカの活発な運動を支えています。
 

イカは深海の忍者の如し

心臓の他にもイカには様々な優れた機能を持っています。
海の生物でありながら私たちと同じ視力レベルを持ち、
泳げば時速40キロで駆け巡り、10本の触手には吸盤がついており、
一度獲物を捕らえたら絶対に逃がさない程の腕の握力、
さらに強靭は顎の力で獲物を原型をとどめないレベルで粉々に砕きます、
おまけに体の色を自由自在に変化させるなど、危険を感じたら墨を囮にして逃走!
その多芸ぶりは海に生きる忍者そのもの、今回はこのイカの秘密について迫ります。
 

イカは実は貝の仲間!?

イカやタコは巻貝から進化した軟体動物です、先祖は巻貝のような殻を持っていましたが、
進化の途中で脱ぎ捨ててしまいました、身軽な身体になりました、
ただしモンゴウイカなどの一部のイカはまだ貝殻の痕跡を体内に残しているのだそうです。
 

速さの秘訣は顔の管!漏斗の秘密

イカの機敏さの秘訣は、目と目の間にあるホースのような管にあります、
この顔についた口のような管を漏斗(ろうと)といい、ここから水を勢い良く噴射することで、
大きな推進力を得て、機敏な動きを可能にしています、
アニメや漫画のデフォルメされたイカやタコのキャラクターは、
よくこの漏斗を使って言葉を話したり、物を食べたりしますが、
漏斗には摂食や音声を出す機能はありません、イカやタコの本当の口は触手の内側の根元にあり、
その力は非常に強力で、獲物を粉々にすりつぶしてしまいます。
 

カモフラージュの秘訣は色素法!外とう膜の秘密

イカは体の色を一瞬で変化させることが出来ます、
その秘訣は体表の外とう膜が持っている色素法にあります。
一箇所に赤、緑、黒などの数種類の色素胞を持っていて、
この色素胞を筋肉の力で広げたり、縮めたりすることで色の強弱を調整します、
光や絵の具の様に各色の強さを調整し、七色の体色変化を実現しています、
イカは体の色を変化させることは身を隠す為だけではなく、
仲間とのコミュニケーションや求愛行動にも使用しています。
 

イカ墨の意外な効能

イカは身の危険を感じると、墨汁のうと呼ばれる器官から
墨を吐き出します、出された墨はすぐに広がらずに、
イカ本体に近い円錐型で長く残ります、良く似た形の墨の囮に相手が気を取られている隙に、
逃走するのです、忍者風にいう変わり身の術としての用法といえるでしょうか、
このイカ墨はメラニン色素で色を出しており、アミノ酸が豊富に含まれています、
なのでこの栄養価を生かしてイカ墨パスタなどの料理に利用されたり、
アミノ酸を生かした化粧品として利用されていたりします。
 

イカの血液が赤くないわけ

マグロやカツオには赤い血液が流れていますが、
イカの体液は透明で刺身で食べるときもお皿は汚れません、
イカは血液そのものが無いのでは?と錯覚してしまうほどです、
イカの血液が赤くないのは、血液の成分が私たち人間と異なるためです、
 
私たち人間や魚類の血液中にヘモグロビンと呼ばれる酸素の運送係がいて、
これは鉄分を多く含んでいて、そこが赤色になる所以です、
対してイカ、タコ、一部を除いた軟体動物は血液中にヘモグロビンがありません、
替わりにヘモシアニンと呼ばれる銅を多く含む酸素運搬係がいます、
このヘモシアニンは無色透明で酸素と結びつくと青色になります、
イカを冷凍した後に足の付け根を切ると青い血液が確認できますので、
気になる方は確認してみると良いでしょう。
 

イカの生態や不思議まとめ

イカの特徴についてレポートしましたがいかがだったでしょうか、
私達にとって身近でありながら、忍者さながらの多芸さを身に着けているイカ、
ここまで多芸ではなくとも、せめてひとつ位は他の人に誇れる一芸を持ち合わせていたいものです。


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