- 2017-2-1
- 野生動物達のトリビア
- アズマニシキ, 出目金, 突然変異, 野生動物達のトリビア, 金魚
神社の縁日などでは欠かせない金魚すくい、
うまくすくえずにやきもきした気分になった方は多いのではないでしょうか?
私達にとって身近な金魚、今回はこの金魚出生の秘密についてご紹介していきます。
金魚は元々外来種!?
今では日本中の人たちに愛されている金魚ですが、
実はこの金魚は古来から日本に生息していた魚ではありません、
金魚が初めて日本にやってきたのは室町時代でしたが、
伝来した当時の金魚は高級品、飼うことが出来たのは一部の富裕層だけで、
一般庶民にはとても手の届かない代物でした。
また飼育方法が確立されていないこともあり、あまり定着しなかったそうです。
魚は突然変異で生まれた!?
中国から伝来した金魚、ですが金魚は初めから赤い色をしていたわけではなく、
祖先である中国フナのジイは当時は銀色の体色をしていました、
ですがおよそ1700年前、突然変異によって身体の色が赤い個体が発見されました、
金魚の祖先が見つかってから約800年後、中国の富裕層の間でブームが起こり、
飼育や販売を生業とする人が劇的に増えます、中には珍しい品種を求める富豪も出始め、
様々な研究の結果、二つに分かれた尾ひれを持った赤いフナが生まれます、
この時ようやく私達にとって馴染み深い金魚の姿になるわけです、
人々はこれを金運をもたらす魚「チンユイ」と名づけ今日まで大切に扱われて来ました。
数多の金魚も元をたどれば全部同じ種類
目玉が飛び出した出目金、独特の模様を持ったアズマニシキ、頭にコブを持った蘭鋳など、
金魚にもさまざまな種類がありますが、実は元をたどれば一つの品種から派生した金魚です、
金魚は元々遺伝子の構造上に突然変異が起こりやすい品種です、
今から500年ほど前に品種改良によって爆発的に金魚の種類が増え、
今日では約100種類ほどの金魚が確認されています。
飼育がとっても簡単な金魚
観賞魚を飼うとなると大きな水槽や水を温めるヒーター、空気を送るエアレーションなど、
何かと大量の機材が必要になるイメージがありますが、
金魚の場合は容器と水草と餌だけあれば飼育出来るのでとても経済的です、
水草から出る酸素だけでも金魚の呼吸には事足ります、
ただし水から頭を出してパクパクし始めたら(鼻あげ)酸素が足りない証拠、
器を大きくしたり、水草を増やす、エアレーションの導入などを検討すべきでしょう。
熱さ寒さに強い金魚
四季のある日本で育つ金魚は熱さ、寒さの変化に強い品種です、
むしろ冬をした金魚の方が丈夫に育つぐらいで、
一度寒さを体験した金魚でなければ、うまく産卵が出来ないといわれる程。
ただし金魚にとって温度の変化は負担になることも当然あります、
暑ければ夏バテすることもあり、寒ければじっとうずくまることもあります、
そんな時はエアコンや暖房で部屋と一緒に水温も調整してあげるといいでしょう。
金魚の尾びれは元気のバロメーター
金魚が体調を見るときに一番表情が出るのは尾ビレです、
尾びれがピンと張って、きれいに広がっている時の金魚は元気一杯ですが、
逆に尾びれがぐったりと下がっている時はストレスがあったり、体調が悪い証拠、
また鱗の状態の他、金魚の行動などでも判断できます、
鱗に艶があるときは体調良好ですが、逆に鱗に艶が無いときは疲れています、
水面で口をパクパクする時なども環境や自身の身体に異常があることが多いです、
金魚の体調を把握して、状況に応じて配慮してあげましょう。
撮影者:úlfhams_víkingur