【ハダカデバネズミ】裸で出っ歯な珍妙動物

debanezumi
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ハダカデバネズミという動物をご存知でしょうか?
アフリカの地中に集団で巣を作って生活する動物で、カピバラやヤマアラシの親戚です、
「新世界より」という小説内で物語に深くかかわってきた為、
そこからこの動物を知ったという方も多いのではないでしょうか、筆者もその内の一人です。

名前の通り、裸で出っ歯なキョーレツな見た目が印象的で、
極度に発達した前歯は口から出っ放しで、身体には体毛がほとんど生えておらず、
ピンク色の地肌がむき出しでしわくちゃの表皮はまるで梅干の様です、
更に変わっているのは見た目だけではありません、今回はハダカデバネズミについてご紹介します。
 

出っ歯は彼らの生活必需品

ハダカデバネズミの一つ目のトレードマークは口の中に収めることの出来ない目立った出っ歯、
彼らは地中に暮らす生き物で、穴を掘る際にこの出っ歯を使って掘削し、歯をとても酷使します、
結果歯はどんどん発達していき、歯の伸びの速さはラットの約二倍にも及びます。

また歯の扱い関しても彼らはスペシャリストと言えます、左右の歯は個別に動かすことが可能で、
彼らの脳の実に3分の1は歯を扱うことだけに使われているほどです、
前歯の扱いにかけて、彼らの右に出るものはいないでしょう。
 

裸でいるのが一番快適!?

ハダカデバネズミがもう一つのトレードマークは体毛のほとんど生えていない身なり、
しかしこれにも理由があります、もし地中で暮らす彼らに体毛があったら、
地中の暖かい湿った環境は、寄生虫達の温床となってしまいます、
体毛が無くなれば寄生虫の脅威から逃れられる他、地表よりも気温が安定している地中では、
体毛で身体を包み寒さから身を守る必要が無く、結果不要な体毛を彼らは捨て去ったのです、
彼らの体毛は、地中の空間を把握する感覚器としていくつか残されているだけです。
 

変温動物で規格外の長寿動物!?

ハダカデバネズミは哺乳類でありながら、自身で体温調節することが出来ない変温動物です、
先にも触れたとおり彼らの住む地中は寒暖の差が少なく、体温調節の機能さえ不要と判断した様です、
寒いときは仲間と身を寄せ合って暖めあえば事足りるので、特に問題も無かったのでしょう。

一般的にネズミは短命で象は長命など、身体の大きさは寿命の長さを物語っていることが多く、
ラットの寿命がいいとこ3~5年なので、寿命はその前後と想像する方が多いかもしれません、
ですがハダカデバネズミにその常識は通用しません、実は年齢が30歳を超えていても、
女王ネズミは未だ現役で子どもを生めることが確認されています、長寿の理由は学会では、
老いを進行させる身体の酸化に対し、耐性がある為ではないかと推測されていますが、
はっきりとしたことはまだわかっていません、筆者は体温調節や体毛、目や耳の機能など、
エネルギーの必要な機能をことごとく退化させていることが、長寿の秘訣なのではと思っています。
 

女王ネズミを中心とした集団生活

もう一つ変わっているのは、ハダカデバネズミは100~300匹という集団生活をしており、
その集団は女王ネズミを頂点とし、下には数匹の王ネズミ、無数の兵隊ネズミ、働きネズミという、
アリの様な階級制度を築いている(これを真社会性といいます)ことです、
繁殖は巣の中で女王ネズミと王ネズミだけが受け持ち、他のネズミはひたすら彼らに尽くします、
哺乳類で真社会性を持つのはハダカデバネズミとダマランドデバネズムミだけです。

しかしアリの社会と異なるのは、この階級は生まれたときから決まっているわけではありません、
女王ネズミは女王アリのように、生まれたときから女王を約束されたわけではなく、
働きネズミからのし上がっていった、叩き上げタイプの女王ということでしょう、
その為、女王ネズミは子を産んだらあとは食べて寝るだけという自堕落な生活はしません、
他の女王ネズミが台頭してしまえば、自分はその地位を失い命さえ狙われる為です。

女王ネズミは繁殖の仕事が終わったら、巣をパトロールして他の女王ネズミ候補にけん制したり、
交尾をしようとする他のネズミ達を取り締まるなど、一箇所にとどまらずとても行動的です、
巣の中で最もストレスを抱えているのは女王ネズミといわれるほどで、
女王ネズミはその地位生活を維持するために、始終大変な気苦労を抱えているのです。
 

【ハダカデバネズミ】裸で出っ歯な珍妙動物 まとめ

ハダカデバネズミは姿こそ珍妙ですが、身体にサイズに似合わず長命な点は、
今後の研究次第で人間社会に新たな可能性を感じさせてくれるように感じます、
女王ネズミが入れ替われば、女王ネズミだけでなく王ネズミもろとも抹殺されるなど、
また彼らの女王の地位をめぐる争いは、王位継承をめぐるる人間社会のようにドロドロです、
そんなストレスの向き合いながら何十年も生活出来るということは、
彼らはストレスに対する耐性も相当に高いのではないかと筆者は思います、
すぐにストレスに負けてしまう筆者は彼らを見習わなければならないと常々思います。


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