- 2015-1-28
- 野生動物達のトリビア
- ライオン, 動物の社会性, 子殺し, 獅子の子落とし, 野生動物達のトリビア
撮影者: Tambako the Jaguar
獅子の子落としとは
百獣の王ライオンは我が子の実力を試すためガケに落とし、
這い上がってきた根性のある子だけを育てたと伝えられる故事のことで、
そこから転じて、子どもの躾の為に心を鬼にし、厳しく接することをいいます。
では実物のライオンが我が子を谷底に落とすということがあるのでしょうか?
結論だけ言えば、「ありえる」と答えます、
ですがライオンが子落としをする時の心情は、
ヒトが行う獅子の子落としの心情とは全く違う心情になります。
ライオンの視点から見る子落としの意味
人が行う子落としを行う心情は、子どもを成長させる為に心を鬼にして、
厳しく接するという意味合いで行われます、
ですがライオンの子落としの心情はもっと短絡的で直接的、
つまり「単なる子殺し」でしかないのです!
ですが全てのライオンが我が子を意図的に殺すわけではありません、
このを説明する為には、まずライオンの社会性について解説しなければなりません。
ライオン達の社会性とは
ライオン達は通常ハーレムという集団をつくって生活をしており、
その集団の構成は、オスが一匹と残りは全員メスとその子ども達という、
多くの男性達が憧れる社会がライオン達の基本社会なのです、
ですがこの構成は優秀なオスの遺伝子を多く残す、
という意味では非常に理に適っています。
そしてハーレムの子ども達が大人になった時、
メスの場合はハーレムに残れますが、
オスの場合はハーレムから追い出されます、
ですが当然全てのオスがハーレムを持てるわけではありません、
常の他のオスたちもこのハーレムを奪おうと目を光らせています、
ハーレムのオスはこれらの挑戦者を追い払える強さを持っていなければ
ハーレムは維持出来ないのです。でももし負けてしまった場合はどうなるのでしょうか・・・
ハーレムの崩壊と子殺しの実行
以前のハーレムの持ち主が敗北すると、勝ったオスが新たなハーレムの主になります、
ハーレムを持ったオスは今すぐにでも生殖活動をしたいのですが、
子育て中のメスは新たに子どもを作ろうとはしてくれません、
新しいオスにとって、血の繋がっていない子ども達は大変気に入らないのです、
ライオンの子殺しが行われるのはこのタイミングです、
オスは今残っている子ども達を全員殺し、メス達の子育てを無理やり終わらせようをします、
メス達は残念ながら抵抗出来ません、邪魔をすればそのメス自身が殺されるかもしれないからです。
ライオンから見る獅子の子落とし
子殺しを行う手段は噛みつく等の直接的な手段を取ることが多いため、
ガケから子を落とすという間接的な殺し方はあまりしないかもしれません、
ですが追いかける最中に子どもをがガケから落ちてしまい、
その状況を助けず見ているだけ、という場面なら現実にありえると思います、
その光景を見れば落ちた子どもを助けない、
獅子の子落としを実行する父親ライオンという風に見えると思います、
ライオン社会は人間社会よりもずっと継子に冷たいのです。
ですが血の繋がっている子どもに対してはもっと献身的です、
ガケに転落した我が子を助けに行くという、故事と間逆の行動も取ります、
実際に我が子をガケから救出する画像がネット上に上がっていますので、
気になる方はコチラを参照のこと
獅子の子落としまとめ
ライオンから見た獅子の落とし、如何だったでしょうか?
一夫多妻制が当たり前のライオン社会は、
人間社会以上に熾烈で過激な嫁取り合戦が行われていること、
そして残された連れ子の悲しい末路、その厳しくライオンの生き方から昔の人々は、
厳しくしてでも子は強く育てなけらばならないとイメージが浮かび、、
獅子の子落としという故事が生まれたのかもしれません、
ついつい子どもに甘く接してしまう親御さんは、
そんなライオンの生き様を教訓にしてみても良いかもしれないですね。
三分でわかる動画版はコチラ