- 2015-10-3
- 野生動物達のトリビア
- ねぐら, コウモリ, 吸血動物, 哺乳類, 野生動物達のトリビア
コウモリと聞いて皆さんは何を思い浮かべるでしょうか、
暗い洞窟に住んでいる、人から血を吸う恐ろしい生き物などといった、
否定的なイメージが先行しがちですが、それは大きな誤解です、
今回はコウモリ達の生活スタイルやその不思議な性質に迫ります。
血吸いコウモリは世界に一種類しか存在しない
コウモリと言えば人の血をすする恐ろしい生き物というイメージが先行しがちですが、
日本では吸血コウモリは生息していません、それどころか人の血を吸うコウモリは、
中南米にのみ生息するナミチスイコウモリただ一種類のみです、
また彼らが標的にするのは主にブタやウシなどの家畜で、屋内に住む人間を狙うことは稀です、
チスイコウモリを除く他のコウモリの主食は小型の昆虫なことが多く、
自分より大きな動物を獲物にすることは、ほとんどありません。
コウモリねぐらは洞窟だけじゃない
コウモリと言えば暗い洞窟の中をねぐらにしているイメージがありますが、
彼らのねぐらに出来る場所は驚くほどに守備範囲が広いです、洞窟の中はもちろんのこと、
空洞になった樹木の中や、大樹の枝にそのままぶら下がって寝ていたり、
家の天井や家屋の隙間、地下水路の中や川原の橋の下、小型の種類ならば枯葉をベッドにして眠るものもいます。
コウモリが逆さまになって眠るわけ
コウモリと言えば天井からぶら下がり逆さまになって休む姿が印象的です、
独特の休み方が目に付きますが、これにはちゃんと理由があります、
一つ目の理由は逆さまの状態は、コウモリにとって一番動きやすい体勢だからです、
逆さまになっていれば、翼を自由に動かすことが出来るので、いつでも飛び立つことが出来ます、
近寄って来た外敵から逃げる時や、近くに寄ってきた獲物を捕らえる時も、次の行動に移り易いのです。
二つ目の理由はコウモリにとってその体勢が一番楽だからです、
コウモリは空を飛ぶために身体を極限まで軽量化しています、
その為の必要の無い足の筋肉を退化させて体を軽くしたのです、
足は筋肉は衰えており、地面をまともに歩くことさえ困難です、
ですがぶら下がるだけであれば、指先の筋肉がほどほどあれば事足ります、
彼らにとっては地面に寝そべるよりも、天井にぶら下がっている方が楽なのです。
文字通り死んだように眠るコウモリ
コウモリは哺乳類で恒温動物なのですが、眠るときは体温を10度以下にまで下げています、
ぐったりと動かず冷たくなっているので、一見するとまるで死んでいるかのようですが、
数時間眠って眼が覚めれば、何事も無かったかのように元気に飛び回ります。
これは寝ている時になるべくエネルギーをなるべく消費しない為の工夫で他の動物が行う冬眠に近いです。
雪の中で眠ってしまうコウモリが発見された例もあるそうです。完全に冬眠ですね。
コウモリには翼はあっても羽はない!?
空を飛行するコウモリと他の鳥達との間には大きな違いがあります、
それは彼らの翼のもつ翼の構造です、鳥類の翼には沢山の羽が生えています、
これは体毛が進化して出来た物で、私達の人間の体毛と同じく定期的に新しい羽に生え変わります。
それに対してコウモリの翼には一切羽が生えていません、
コウモリの翼は皮膚が進化して出来たもので、私達人間の指の合間にある水かき(指間膜)に近いものです、
羽のように生え変わることはありませんが、翼を傷つけられても身体の一部と同じくそのまま再生します。
コウモリの声が聞こえる秘密道具
コウモリは自分や獲物の位置を知るために、飛行中は常に超音波を飛ばしています、
この超音波は通常人間には聞こえないのですが、バットディテクターと呼ばれる道具を使うことで、
私達人間でも超音波を聞き取ることが出来るようになります、
ただし安いものでも2万円~、本格的な物になると10万円以上するような高価な機材なので、
興味本位で購入するのはお勧めしませんが、本格的にコウモリを調査する方には重宝します。
空飛ぶ哺乳類コウモリまとめ
今回はコウモリの生活、彼らの不思議な性質についてご紹介しましたが、
少しでもコウモリのイメージアップに繋がっていれば幸いです、
コウモリと聞くと不気味なイメージを持っていた筆者ですが、
写真などでコウモリを顔をまじまじと見てみると案外可愛らしい顔をしてます、
実際にコウモリをペットとして飼われている方もいらっしゃるようで、
近いうちにコウモリをペットにするブームが来るかもしれない、と筆者はにらんでいます。
撮影者:DavidDennis