- 2016-7-8
- 野生動物達のトリビア
- クマ, 死んだふり, 熊, 熊への対処法, 熊棚, 野生動物達のトリビア
撮影者:Tambako the Jaguar
近年野生の熊が人里に降りてきて人を襲うというニュースを聞くことが増えてきました、
私達が熊に遭遇してしまう可能性が昔よりもずっと増したと言えるでしょう、
ですが世間では死んだふりを筆頭として、間違った熊への対処法が浸透してしまっています、
今回はそんな間違った熊への対処法とその危険についてご紹介します。
死んだふりではやり過ごせない
死んだふりは世間で最も有名な熊への対処法でしょう、ですがこれは最も危険な行動です、
熊は死んだ動物の肉も普通に食べます、動かなくなったからといって興味を失うわけではありません、
熊は「強敵と思われた相手が突然倒れてラッキー」くらいにしか思わないでしょう、
自然界で相手を威嚇し追い払いたいならば、自分の身体を大きく見せることが鉄則!
自分をあえて小さく見せる死んだふりは、安全を得るための活路を自ら捨てているようなものです。
木に登っても登攀が得意な熊には無効
熊に遭遇したら木に登ってやり過ごせという対処法もわりと有名です、ですがこれも意味がありません、
実は案外知られていませんが、野生の熊は木登りが大得意なのです、
熊にとっては木に上に成る木の実も重要な食料の一つです、山道を散策していると、
たまに木の上に大きな鳥の巣の様に、不自然に枝が集まった場所があります、
これは熊棚といって、この場所で熊が周囲の木の実を集めて食事をしたことを意味しています、
木の実を集めた後のいらない枝を熊が足元に捨てるため、鳥の巣の様に枝が集まり熊棚が出来ます、
要するに最低でも熊棚が出来る高さまでは、熊は木登りが出来ることを意味しています、
木登りの得意な熊に対して、木登りの心得が無い一般人が勝負を挑むのはナンセンスです。
走って逃げても逃げ切れない
「熊に遭遇したら後ろを向いて全速力で走れ」なんて言う人がいますがとんでもない、
熊は本気になって走れば時速50キロ以上のスピードで走ることが出来ます、熊と遭遇するのは山道、
山道では地の利も熊にあります、例えあなたが短距離走のアスリートであっても逃げ切るのは困難です。
また逃げるものは追いたくなるのが動物の性、あなたが熊に背を向けて逃げることで、
熊の攻撃衝動を後押しし、熊を余計に興奮させてしまいます、
怖くて逃げ出したくなる気持ちはわかりますが、ここはぐっと堪えましょう。
大声で助けを求めても熊が怒るだけ
熊に遭遇したら大声を出して周囲に助けを求めるといいと言う方もいます、
確かに周囲に武器を持った猟師がいる場合ならば有効かもしれませんが、そうでない場合は危険です、
何故なら大声を間近で聞いた熊は驚いてとっさに貴方に反撃してくるかもしれないからです、
不用意に大声を出すのは目の前の熊を興奮させるだけ、泣くのも悲鳴を上げるのも同様です、
こちらが熊を怖がる様に、熊もこちらを怖がっていることが大半、熊の反撃は言わば正当防衛なのです、
まずはアナタが冷静になり、熊に自分が敵でないことを悟らせてあげましょう。
【熊】絶対禁止!熊に会ったらとってはいけない行動 まとめ
世間で有名な間違った熊の対処法をご紹介しましたが如何だったでしょうか、
熊のキャラクターといえば「くまモン」や「くまのプーさん」といった可愛いものが多いですが、
現実の熊は巨大で怪力、とても恐ろしい存在です、立ち上がれば人の背丈を越える個体さえいます、
間違った熊への対処法を改め、正しい対処法を身に着けましょう、
正しい熊の対処法についてはこちらの記事で詳しく解説しています。